死穢(しえ)まとう天使 レビュー|卓上探偵団最新作は重厚?協力ミステリーの完成度を徹底解説

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  1. 他卓上探偵団が「ロジック重視」なら、本作は「物語没入型」|協力ミステリーの到達点
    1. ① 死穢(しえ)まとう天使とは?|卓上探偵団シリーズ最新作の概要
    2. ② 舞台設定とストーリー|1938年・熱帯の孤島ベルメハ
    3. ③ ゲームジャンル解説|協力ミステリーゲームの特徴
    4. ④ ゲームの目的と基本の流れ|何をどう進めるのか
    5. ⑤ 新要素「穴あきカード」の仕組みと役割
    6. ⑥ 色付き調査チットの使い方|情報整理を助ける新しい補助線
    7. ⑦ 推理の難易度と要求される思考力|15歳以上の理由
    8. ⑧ 協力プレイとしての完成度|全員参加型の推理体験
    9. ⑨ 1人プレイ・少人数プレイの成立度|人数による体感の違い
    10. ⑩ コンポーネント評価|紙製ながら没入感を高める工夫
    11. ⑪ ルール難易度・インストのしやすさ|重さはあるが導線は明確
    12. ⑫ 他の卓上探偵団・ミステリー系ゲームとの比較|本作の立ち位置
    13. ⑬ メリット・デメリット整理|評価が分かれるポイント
    14. ⑭ どんな人におすすめか?|向いているプレイヤー像
    15. ⑮ おすすめできない人のタイプ|購入前の注意点
    16. ⑯ 価格・コスパ評価|120分級ミステリーとしての妥当性
    17. ⑰ プレイ後の満足感・後味|語りたくなるタイプの作品
    18. ⑱ 総合評価・まとめ|濃密な協力ミステリーを求める人へ

他卓上探偵団が「ロジック重視」なら、本作は「物語没入型」|協力ミステリーの到達点

 死穢(しえ)まとう天使

1938年、熱帯の孤島で消息を絶った考古学調査隊。その最後の無線は「黒イ天使像ヲ発見」という言葉で途切れていました。死穢(しえ)まとう天使は、グループSNEの卓上探偵団シリーズ最新作として登場する、協力型ミステリーボードゲームです。プレイヤーは卓上探偵団となり、断片的な情報を共有し、議論を重ねながら事件の真相に迫ります。本作では「穴あきカード」や「色付き調査チット」といった新ギミックが導入され、推理体験に新たな手触りを加えています。120分級の重厚な内容ながら、物語への没入感と協力推理の達成感が高く、ミステリー好きに強く刺さる一作。本記事では、遊びごたえや難易度を整理しつつ、他の卓上探偵団作品や協力ミステリーゲームとの違いを分かりやすく解説します。

(1-4人用 120分 15才以上向け) ボードゲーム

① 死穢(しえ)まとう天使とは?|卓上探偵団シリーズ最新作の概要

死穢(しえ)まとう天使は、グループSNEが手がける協力型ミステリーゲームで、2026年1月31日に発売される。
プレイヤーは「卓上探偵団」として事件の謎に挑み、全員で協力して真相へと迫る構成が特徴だ。

プレイ人数は1〜4人、プレイ時間は約120分、対象年齢は15歳以上。
腰を据えて物語と推理を楽しむ中〜重量級タイトルに位置づけられる。
対戦要素はなく、会話と推理を重ねることで物語を解き明かしていく体験型のボードゲームとなっている。


② 舞台設定とストーリー|1938年・熱帯の孤島ベルメハ

物語の舞台は1938年8月、メキシコ湾に浮かぶ無人島「ベルメハ」。
考古学調査隊が消息を絶ち、最後に残された無線には
“BLACK ANGEL STATUE FOUND(黒イ天使像ヲ発見)”という不穏な言葉が記録されていた。

調査に訪れた卓上探偵団が島で目にするのは、眠る少女、砕け散った天使像、そして調査隊リーダーの遺体。
古代遺跡×孤島×怪異という王道ミステリー要素が組み合わさり、導入段階から強い没入感を生み出している。

単なる事件解決ではなく、「この島で何が起きたのか」を物語として追体験する構成が、本作の大きな魅力だ。


③ ゲームジャンル解説|協力ミステリーゲームの特徴

本作は「協力ミステリーゲーム」に分類される。
これは、プレイヤー同士が競い合うのではなく、全員で情報を共有し、議論しながら真相を導くジャンルだ。

推理の過程では、各自が得た情報を持ち寄り、矛盾や因果関係を整理していく必要がある。
TRPG的な会話量と、ボードゲーム的なルールの枠組みが融合した体験に近い。

誰か一人が答えを知っていれば勝てるタイプではなく、
全員が同じ方向を向いて考えることが求められる点が、協力ミステリーならではの特徴と言える。


④ ゲームの目的と基本の流れ|何をどう進めるのか

ゲームの目的は、島で起きた事件の真相を解明し、正しい結論にたどり着くことだ。
プレイヤーは調査を行い、カードやチットを通じて情報を収集していく。

基本的な流れは、
「調査 → 情報獲得 → 情報整理 → 推理・議論」
を繰り返しながら、少しずつ全体像を明らかにしていく形になる。

プレイ時間は120分と長めだが、物語の進行に合わせて段階的に情報が開示されるため、
単調になりにくく、最後まで集中力を保ちやすい設計になっている。


⑤ 新要素「穴あきカード」の仕組みと役割

本作の注目ポイントのひとつが、新要素である「穴あきカード」だ。
カードの一部に穴が空いており、他のカードや情報と重ね合わせることで、新たな意味が浮かび上がる仕組みになっている。

これにより、単に文章を読むだけでは分からない情報の照合や発見が可能になる。
視覚的に「気づき」を得られるため、推理体験に新鮮さと納得感を与えてくれる。

従来の卓上探偵団シリーズとは一線を画すギミックであり、
物語への没入感と、推理の手触りを同時に強化する役割を果たしている。


⑥ 色付き調査チットの使い方|情報整理を助ける新しい補助線

本作では、調査によって得られる情報を整理するために「色付き調査チット」が用いられる。
色分けされたチットは、情報の種類や性質を視覚的に区別する役割を持ち、推理の過程で混乱しがちな情報を整理しやすくしている。

協力ミステリーでは、情報量が増えるほど「何が分かっていて、何が未確定なのか」が曖昧になりやすい。
色付きチットは、その曖昧さを減らし、議論の焦点を合わせるための補助線として機能する。

メモを大量に取らなくても状況を把握しやすくなるため、推理に集中しやすい設計だ。


⑦ 推理の難易度と要求される思考力|15歳以上の理由

本作の推理難易度は、卓上探偵団シリーズの中でも比較的高めに設定されている。
単純な犯人当てではなく、複数の事実関係や時系列、状況証拠を突き合わせていく必要がある。

文章量もそれなりに多く、読み取りと理解に一定の集中力が求められるため、対象年齢15歳以上という表記は妥当だ。
直感や運だけで答えに辿り着くことは難しく、論理的思考と議論が不可欠になる。

「難しいが理不尽ではない」バランスが取られており、推理が好きな人ほど達成感を得やすい構成となっている。


⑧ 協力プレイとしての完成度|全員参加型の推理体験

協力型ミステリーで重要なのは、「一人だけが考えて他の人が聞くだけ」にならないことだ。
本作では、情報が段階的に開示され、全員の意見や視点が自然と必要になる設計がなされている。

特定のプレイヤーが主導権を握りすぎると解決しづらくなる場面もあり、
結果として、参加者全員が発言し、考える流れが生まれやすい。

会話量は多めだが、それが負担ではなく「体験の核」になっている点が評価できる。
協力して謎に挑む感覚をしっかり味わえるタイトルだ。


⑨ 1人プレイ・少人数プレイの成立度|人数による体感の違い

本作は1〜4人対応となっており、ソロプレイにも対応している。
1人で遊ぶ場合は、情報整理や推理を自分だけで行うことになるため、パズル的な楽しさが強くなる。

2人プレイでは、意見交換が活発になり、推理の視点が広がる。
3〜4人になると、情報の解釈や仮説が多様化し、議論そのものがより面白くなる。

最もバランスが良いのは2〜3人だが、
「じっくり考えたい」なら1人、「ワイワイ推理したい」なら4人と、目的に応じた遊び方ができる。


⑩ コンポーネント評価|紙製ながら没入感を高める工夫

コンポーネントは紙製が中心だが、仕掛けやデザインによって物足りなさは感じにくい。
カードやチットは視認性が高く、推理に必要な情報を把握しやすい構成になっている。

特に、イラストが物語の雰囲気作りに大きく貢献しており、
文字情報だけでは得られない情景や不穏さを補完している。

派手さよりも「使いやすさ」と「没入感」を優先した設計で、
協力ミステリーというジャンルに適したコンポーネント構成と言える。


⑪ ルール難易度・インストのしやすさ|重さはあるが導線は明確

本作のルール難易度は中〜やや重めだが、「何をすればいいか」が分からなくなるタイプではない。
調査→情報整理→推理という流れが明確で、物語の進行に沿って自然に次の行動が示されるため、迷いにくい構成になっている。

インスト(ルール説明)自体は20〜30分程度を見込むと安心だ。
文章量は多めだが、推理ゲームに慣れている人であれば理解に大きな壁はない。
ミステリー慣れしていない参加者がいる場合は、進行役を一人決めてテンポを保つと遊びやすい。


⑫ 他の卓上探偵団・ミステリー系ゲームとの比較|本作の立ち位置

卓上探偵団シリーズの中でも、本作は物語性とギミック性を強く押し出した一作だ。
特に「穴あきカード」や色付きチットといった仕掛けは、過去作と比べても新鮮味がある。

一般的な犯人当て系ボードゲームと比べると、対戦要素はほぼなく、
推理小説を全員で読み解く体験に近い。
そのため、勝ち負けよりも物語の解明や議論を楽しみたい人向けの方向性がはっきりしている。


⑬ メリット・デメリット整理|評価が分かれるポイント

メリット

  • 重厚なストーリーと高い没入感

  • 協力型ならではの濃密な議論体験

  • 新ギミックによる推理の手触りの良さ

デメリット

  • プレイ時間が長く、集中力が必要

  • 軽快さを求める人には重く感じる

  • テーマがダークで好みが分かれる

方向性が明確な分、刺さる人には強く刺さり、合わない人には合わないタイプの作品だ。


⑭ どんな人におすすめか?|向いているプレイヤー像

本作は、ミステリー小説や推理ドラマが好きで、
「話し合いながら謎を解く時間」そのものを楽しめる人に向いている。

卓上探偵団シリーズのファンや、協力型ゲームが好きな人、
勝敗よりも体験重視のボードゲームを求めている人には高い満足度が期待できる。

また、1回限りでも濃い体験を求める層にも適しており、
イベント的に遊ぶゲームとしても価値が高い。


⑮ おすすめできない人のタイプ|購入前の注意点

短時間でサクッと終わるゲームを求めている人には不向きだ。
また、運要素が強いゲームや、直感的に遊べる軽量級を好む人には重く感じられるだろう。

ダークな世界観や遺体描写、怪異要素が苦手な場合も注意が必要だ。
本作は雰囲気と物語を大切にしているため、テーマへの耐性が満足度を大きく左右する。


⑯ 価格・コスパ評価|120分級ミステリーとしての妥当性

死穢(しえ)まとう天使は、プレイ時間120分・協力型ミステリーという性質上、一般的な軽量ボードゲームと比べると価格帯はやや高めに感じられるかもしれない。
しかし、本作は「繰り返し遊ぶゲーム」というよりも、一度の体験密度が非常に高いタイプの作品だ。

重厚なシナリオ、専用ギミック(穴あきカード・色付き調査チット)、没入感のあるアートワークを含めて考えると、
体験型ミステリー作品としてのコストパフォーマンスは十分に納得できる水準にある。

映画やミステリーイベントに参加する感覚で捉えると、「120分の濃密な体験料」として妥当な価格設定と言えるだろう。


⑰ プレイ後の満足感・後味|語りたくなるタイプの作品

本作の大きな特徴は、クリア後に自然と感想戦が始まる点にある。
事件の真相にたどり着いた瞬間のカタルシスだけでなく、
「この情報はどう解釈したか」「あの時の判断は正しかったか」といった振り返りが非常に盛り上がりやすい。

協力型であるため、勝敗による後味の悪さがなく、
全員で一つの物語を解き明かしたという達成感が残るのも好印象だ。

一方で、テーマが重くダークなため、プレイ後の余韻は明るく爽快というよりも、
静かに考えさせられるタイプ。
この“重さ”を楽しめるかどうかが、評価を左右するポイントになる。


⑱ 総合評価・まとめ|濃密な協力ミステリーを求める人へ

『死穢まとう天使』は、卓上探偵団シリーズの中でも特に物語性と推理体験に重きを置いた一作だ。
新ギミックによる推理の手触り、協力型ならではの議論の楽しさ、
そして1938年の孤島という舞台設定が、高い没入感を生み出している。

短時間で何度も遊ぶタイプのボードゲームではないが、
その分、一度の体験が強く記憶に残る。
ミステリー好き、協力ゲーム好き、じっくり話し合うゲームを求める人にとっては、
2026年に遊ぶ価値のある一作と言えるだろう。

「遊ぶ」というより「体験する」──
そんな表現がしっくりくる、濃密な協力ミステリー作品だ。

(1-4人用 120分 15才以上向け) ボードゲーム

 

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