天下(Tianxia)ボードゲーム レビュー|ルール・戦略・ソロ&2人プレイ・重量級評価を徹底解説

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春秋戦国の覇権争いへ参戦|重量級戦略ゲーム『天下』の在庫をチェック

天下

『天下(Tianxia)』は、中国・春秋戦国時代を舞台に士大夫として七雄を支援し、政治・外交・交易・防衛を駆使して名声を競う重量級ボードゲームです。影響力配置や国家支援、騎馬民族からの長城防衛など多層システムが絡み合い、短期利益と長期戦略の判断が勝敗を分けます。本記事ではルール概要、戦略ガイド、2人ボット戦、ソロAI李牧モード、リプレイ性、他重量級ゲーム比較まで網羅解説。購入を迷っている方が“自分に合うか”判断できる情報をまとめました。

[ボードゲーム]

『天下(Tianxia)』とはどんなボードゲーム?

『天下(Tianxia)』は、中国・春秋戦国時代を舞台にした重量級戦略ボードゲームです。プレイヤーは士大夫(しだいふ)と呼ばれる政治エリートとなり、戦国七雄それぞれの君主に働きかけて影響力を拡大し、名声(勝利点)を獲得していきます。単なる領土争いではなく、政治・外交・交易・軍事といった複合的要素を扱う点が特徴。歴史的背景と戦略性が密接に結びついた設計で、プレイヤーの判断が数ラウンド後に結果として現れる“長期思考型ゲーム”として評価されています。


基本スペック

本作のプレイ時間は約30分〜(※実際は重量級のため60〜120分想定)、プレイ人数は複数人対応で、ソロ・2人専用モードも搭載されています。コンポーネントはカード、ボード、トークンなど紙製中心で構成され、組み立て不要です。難易度は中〜重量級に位置し、ルール理解と戦略構築の両方が求められます。短時間で終わるカジュアルゲームとは異なり、プレイヤー間の読み合いと長期計画が勝敗を分ける“ゲーマーズゲーム”寄りの設計となっています。


原題・デザイナー情報

本作の原題は『Tianxia』。デザインを手掛けたのは、重量級戦略ゲーム『ツォルキン:マヤ神聖歴』で知られるダニエレ・タッシーニアントニオ・ペトレッリのコンビです。両名は、時間経過による影響拡大や長期戦略を重視したゲーム設計を得意としており、本作でもその思想が色濃く反映されています。短期的利益ではなく、数ターン先を見据えた意思決定が重要となる設計は、タッシーニ作品らしい重厚なプレイ感を生み出しています。

春秋戦国時代とは?

『天下(Tianxia)』の舞台となる春秋戦国時代は、中国史における大転換期であり、紀元前8世紀頃から紀元前221年の秦による統一まで続いた戦乱の時代です。周王朝の権威が弱体化し、各地の諸侯が独立勢力として台頭。最終的に「戦国七雄」と呼ばれる燕・趙・韓・魏・斉・楚・秦の七国が覇権を争いました。外交、軍事、内政改革が急速に発展したこの時代は、中国思想や制度の基盤が形成された重要な歴史フェーズでもあり、本作はそのダイナミズムをゲームシステムとして再現しています。


士大夫という役割

プレイヤーが担う「士大夫(しだいふ)」とは、戦国時代における知識人・官僚・政治顧問層を指します。君主に仕え、政策提言や外交交渉、軍事助言を行う立場であり、国家運営の中枢を支える存在でした。ゲーム内ではこの立場を活かし、各国へ遊説家を派遣して影響力を拡大し、好意や利権を獲得していきます。武力だけでなく、弁舌・政治力・経済力が勝敗に直結する設計は、士大夫という歴史的役割を巧みにゲームへ落とし込んだ要素といえるでしょう。


騎馬民族と長城防衛

戦国時代の脅威は国内戦争だけではありませんでした。北方からは匈奴・月氏・東胡などの遊牧騎馬民族が南進し、華北平原を脅かしていました。これに対抗するため築かれたのが万里の長城です。本作ではこの歴史要素が防衛システムとして実装されており、騎馬民族はラウンドごとに南下。長城へ到達すると襲撃が発生し、全プレイヤーに影響を及ぼします。つまり、防衛を怠れば全体損失が発生する“共通危機”構造となっており、政治・経済だけでなく軍事判断も重要な戦略要素となっています。

勝利点(名声)の獲得方法

『天下(Tianxia)』における勝利条件は、最終ラウンド終了時に最も多くの名声(勝利点)を獲得したプレイヤーになることです。名声は単一要素ではなく、国家への影響力拡大、交易による富の獲得、防衛貢献、建設支援など複数の行動から総合的に得られます。特定分野に偏るよりも、多面的に国家へ貢献することで得点効率が高まる設計となっており、“政治家としての総合力”が評価されるスコアリングシステムが特徴です。


政治・交易・軍事のバランス

本作の戦略軸は大きく分けて**政治(影響力)・交易(資源/富)・軍事(防衛)**の3要素で構成されています。政治は君主の好意や国家支援による得点源、交易は長期的な資金供給と利権確保、防衛は騎馬民族侵攻を防ぎ全体損失を回避する役割を担います。どれか一つに特化することも可能ですが、バランスを欠くと終盤の得点効率が伸び悩むため、状況に応じた資源配分が求められます。この多軸構造がゲームの奥行きを生み出しています。


短期利益 vs 長期戦略

『天下』の設計思想を象徴するのが、“短期利益と長期投資のジレンマ”です。例えば交易や防衛は即時得点になりにくいものの、後半のスコアリングに大きく影響します。一方、政治影響力は比較的早期に得点へ結びつくケースもありますが、維持コストや競合が発生します。目先の得点を追うか、数ラウンド後の爆発力を狙うか――この判断の積み重ねが勝敗を左右します。タッシーニ作品らしい“時間差で効く戦略性”が色濃く表れたシステムです。

ゲームの流れ(全4ラウンド)

『天下(Tianxia)』は全4ラウンド制で進行し、各ラウンドで政治・交易・軍事といった複数フェイズが段階的に処理されます。プレイヤーは手持ちの遊説家や資源を活用し、各国への影響力拡大や利権獲得、防衛支援を実行。ラウンド終了時には状況に応じた得点計算や脅威処理が行われます。4ラウンドという短いターン数ながら、各選択が累積的に影響するため、序盤から長期戦略を意識した行動が求められます。テンポは比較的明快ですが、判断の重みは非常に高い構造です。


遊説家派遣システム

プレイヤーの主要アクションとなるのが遊説家(ゆうぜいか)の派遣です。これは各国へ人材を送り込み、君主への影響力を高める行動を意味します。派遣先によって得られる恩恵や利権が異なり、どの国へどのタイミングで配置するかが戦略の要となります。また、他プレイヤーとの競合も発生するため、単純な配置ではなく盤面全体を見据えた判断が必要。政治ゲームらしい“影響力争い”が可視化されたメインメカニクスといえます。


国家支援と好意獲得

遊説家派遣によって得られるのが、各国君主からの好意(支持)です。好意を得ることで、資源・得点・特権など様々な恩恵が解放され、プレイヤーの戦略基盤が強化されます。ただし、国家間は対立関係にあるため、一方へ肩入れしすぎると別国家からの評価が下がる場合もあり、外交バランスが重要となります。どの国家とどの程度関係を深めるか――この外交判断が終盤得点へ直結するため、政治的駆け引きがゲームの醍醐味となっています。

影響力配置システム

『天下(Tianxia)』の中核メカニクスの一つが、各国への影響力配置システムです。プレイヤーは遊説家を派遣することで国家内の発言力を高め、政策支援・利権獲得・得点源確保につなげていきます。配置位置やタイミングによって得られる恩恵が変化するため、単純な数の多さだけでなく“どこに置くか”が重要です。また、他プレイヤーの配置状況によって支配構造が変動するため、常に盤面全体を見ながら影響力の伸ばしどころを見極める必要があります。


交易・商船システム

政治だけでなく、交易による富の獲得も本作の重要な得点源です。沿岸を行き交う商船を通じて交易ネットワークを拡張し、資源や利益を確保していきます。交易は即時得点というよりも、後半に向けた資金基盤やスコア補助として機能するケースが多く、長期投資型戦略に位置づけられます。また、他プレイヤーとの交易ルート競合や利権争いも発生するため、政治と経済の両面を見据えた計画的な展開が求められます。


兵士育成・建設

北方騎馬民族の侵攻に対抗するため、兵士育成や長城建設といった軍事アクションも実行可能です。兵力強化や防衛施設建設は直接的な得点だけでなく、襲撃被害の軽減や全体損失回避につながる重要な役割を担います。防衛を怠ると全プレイヤーに悪影響が及ぶため、個人利益と共同防衛のバランス判断が必要です。軍事投資は短期的には得点効率が低く見えるものの、終盤スコアやリスク管理に大きく寄与する戦略要素となっています。

騎馬民族南進メカニズム

『天下(Tianxia)』における共通脅威システムが、北方騎馬民族の南進メカニズムです。匈奴・月氏・東胡などの遊牧勢力は、各ラウンド終了時に段階的に華北平原へ進軍してきます。この進行は自動的に処理され、プレイヤーの行動とは無関係に脅威レベルが上昇していくのが特徴。つまり、防衛投資を怠れば確実にリスクが高まり、ゲーム後半ほど被害規模が拡大します。時間経過とともに危機が迫る構造は、プレイヤーに長期防衛計画を強く意識させる設計となっています。


長城到達時の襲撃

騎馬民族が万里の長城ラインへ到達すると、襲撃イベントが発生します。この襲撃は特定プレイヤーではなく、盤面全体へ影響を与えるのが特徴で、国家支援状況や防衛準備度に応じて被害が変動します。城壁建設や望楼設置といった防衛行動を行っていれば被害軽減が可能ですが、準備不足の場合は資源損失や得点機会の減少といったペナルティを受けます。つまり、防衛は任意行動でありながら、事実上は無視できない必須戦略となっています。


全体被害と影響

襲撃が発生すると、全プレイヤー共通の損害が発生します。これは個人戦でありながら協力的判断を迫られる本作特有のジレンマ構造です。「他プレイヤーが防衛するだろう」と期待して軍事投資を怠ると、結果的に全員が損をする“フリーライド問題”が生まれます。この共通危機要素により、政治・経済だけでなく軍事面の関与が不可欠となり、ゲーム全体の緊張感が維持されます。防衛参加のタイミングと投資量が、終盤の勝敗へ間接的に影響する重要システムです。

国家選択の重要性

『天下(Tianxia)』における中盤以降の戦略を大きく左右するのが、どの国家に軸足を置くかという国家選択です。七雄それぞれは得られる恩恵や得点構造が異なり、政治寄り・交易寄り・軍事寄りなど戦略適性が分かれます。序盤に広く浅く影響力を広げるか、特定国家へ集中投資するかでゲーム展開は大きく変化。さらに他プレイヤーとの競合状況も加味する必要があり、「伸ばせる国家を選ぶ」判断力が求められます。国家選択は単なる配置先ではなく、勝ち筋そのものを決定づける重要な分岐点となります。


影響力の伸ばし方

影響力は配置数だけでなく、配置タイミングと相乗効果が鍵になります。早期に基盤を築けば後半の得点効率が高まりやすく、逆に終盤からの参入では他プレイヤーに押し切られる可能性が高まります。また、国家ごとのボーナス解放条件や支配ラインも考慮が必要。単純な拡張ではなく、“どこまで伸ばすか”“いつ撤退するか”の判断が重要です。影響力は得点源であると同時に外交資産でもあり、政治戦略の中心的リソースとして機能します。


防衛と交易の配分戦略

中級者帯で勝率を分けるのが、防衛投資と交易投資のバランス配分です。交易は長期得点と資源供給を支え、防衛は全体損失回避と評価向上につながります。どちらも軽視すると終盤スコアが伸び悩むため、盤面状況に応じた柔軟配分が求められます。騎馬民族の進行度、他プレイヤーの防衛参加状況、交易ルート競合など複数要素を同時に判断する必要があり、ここに本作の戦略的奥深さが集約されています。短期利益に偏らない中期設計が重要です。

長期得点エンジン構築

上級者帯のプレイで重要となるのが、長期得点エンジンの構築です。これは単発得点ではなく、ラウンドを重ねるごとに自動的にスコアが伸びる仕組みを作る戦略を指します。具体的には、特定国家への継続支援、交易ネットワークの安定運用、防衛貢献による評価積み上げなどが該当します。序盤〜中盤で得点基盤を整えておくことで、終盤のスコアリングフェイズで爆発的な点差を生み出すことが可能。短期得点に惑わされず、将来リターンを見据えた投資判断が求められます。


連鎖スコアリング

『天下』のスコア構造は単独加算ではなく、複数要素が連鎖して得点を増幅する設計になっています。例えば、政治影響力が交易利益を後押しし、その資源が防衛投資へ回り、最終的に名声へ変換されるといった流れです。こうした“得点の連鎖回路”を構築できるかどうかで、同じ行動数でも最終得点に大きな差が生まれます。単体効率ではなく、システム間の相互作用を見据えた戦略設計が、上級者プレイの鍵となります。


他者干渉の読み合い

重量級ゲームとしての醍醐味が、プレイヤー間の干渉と読み合いです。影響力争い、交易ルート競合、防衛負担の押し付け合いなど、間接的な対立構造が常に発生します。特に国家支援は多数決的要素を含むため、他者の行動予測が極めて重要。誰がどの国家を伸ばすのか、防衛にどこまで関与するのかを見極め、自身の行動を最適化する必要があります。ソロパズルではなく“多人数政治戦略ゲーム”としての緊張感が、本作のリプレイ性を高める要因となっています。

ボット(第三勢力)の役割

『天下(Tianxia)』の2人プレイでは、盤面の密度と緊張感を維持するためにボット(仮想第三勢力)が導入されます。このボットは実在プレイヤーの代替ではなく、“時代の流れ”や“制御不能な外的要因”として機能する存在です。国家支援、影響力配置、防衛状況など主要要素へ干渉し、盤面のバランスを常に揺さぶります。これにより2人戦でも勢力争いが希薄にならず、3人戦に近いダイナミックな政治構造が再現される設計となっています。


カード駆動システム

ボットの行動は専用カードによる自動処理で決定されます。カードには配置・支援・移動などの行動指示が記されており、ラウンドごとにランダム要素を伴った盤面変動が発生。プレイヤーはボットの次行動を完全には予測できないため、計画に不確定要素が加わります。このカード駆動システムにより、2人戦特有の“最適解固定化”を防ぎ、状況対応力を問う戦略性が維持されます。


実質3人戦の緊張感

ボットの存在により、2人プレイでも盤面は常に三勢力構造となります。対戦相手だけでなく、ボットによる影響力競合、防衛負担の変動、国家支援の奪取などが発生し、単純な一騎打ちにはなりません。その結果、「対人読み合い+外的変動」という二重構造の戦略判断が求められ、プレイ密度はむしろ高まります。少人数でも重量級らしい緊張感を維持できる点は、本作の設計完成度の高さを示す要素といえるでしょう。

名将・李牧とは?

ソロモードでプレイヤーの対戦相手となるのが、戦国時代・趙の名将李牧(りぼく)です。史実でも匈奴討伐や秦軍迎撃で名を馳せた名将であり、その戦略眼と防衛能力は当時屈指と評価されています。本作ではその歴史的イメージがAIキャラクターとして再現され、単なる得点競争相手ではなく、盤面全体へ影響を与える“国家規模の対抗勢力”として立ちはだかります。歴史テーマとゲームシステムが結びついた、没入感の高いソロ設計です。


専用AI行動システム

李牧は専用ボードとカードによって行動するAI駆動システムを採用しています。行動内容は国家支援、影響力拡張、防衛介入など多岐にわたり、プレイヤーの戦略を直接的・間接的に妨害。しかも得点のみを目的とせず、盤面支配や防衛優先行動など独自ロジックで動くため、人間プレイヤーとは異なるプレッシャーが生まれます。これによりソロプレイでも盤面は流動的に変化し、“一人用パズル”ではない対戦感覚が維持されます。


4段階難易度の違い

ソロモードは4段階の難易度設定が用意されており、プレイヤーの熟練度に応じた挑戦が可能です。低難度では行動制限や影響力成長が緩やかですが、高難度になるほど国家支援速度、防衛効率、盤面干渉力が強化されます。特に上位難度では長期戦略の精度が要求され、数手先を読む判断が不可欠。重量級ゲームとしての思考負荷をソロでも体験できる設計となっており、繰り返し挑戦するリプレイ性の高さも魅力です。

ボード・カード品質

『天下(Tianxia)』のコンポーネントは、重量級戦略ゲームにふさわしい情報量重視の設計が特徴です。メインボードには戦国七雄の勢力圏、長城ライン、交易ルートなどが視覚的に整理されており、盤面状況を一目で把握しやすいレイアウトになっています。カード類も国家支援やボット行動など機能別に明確に分類されており、ゲーム進行を妨げない実用性重視の仕様。豪華さよりも戦略ゲームとしての操作性・可読性を優先した作りといえるでしょう。


アートワーク

アートワークは、中国春秋戦国時代の歴史観を反映した重厚で落ち着いたデザインが採用されています。華美なファンタジー調ではなく、史実ベースの色調や意匠が用いられており、政治・外交・軍事が絡み合う緊張感あるテーマ性を視覚面からも補強。武将・君主・兵士・建築物などの描写も時代考証に配慮されており、歴史ゲームとしての没入感を高めています。テーマ重視のゲーマー層に評価されやすい美術方向性です。


視認性・操作性

重量級ゲームでは特に重要となるのが視認性と操作性ですが、本作はその点でも高水準です。影響力トークン、軍事資源、交易資源などは色分けとアイコン化が徹底され、盤面混雑時でも情報識別が容易。各フェイズの処理順もボード上に整理されているため、ルール忘れや進行ミスを防ぎやすい設計です。プレイ時間が長くなる重量級ゲームにおいて、ストレスの少ないUI設計は大きな価値を持ち、リプレイ性向上にも寄与しています。

プレイ時間体感

公称プレイ時間は約30分とされていますが、実際のプレイ体感は60〜120分前後になるケースが多い重量級設計です。特に初回プレイではルール確認や戦略検討に時間を要するため、さらに延びる可能性もあります。一方で、ラウンド数は全4回と明確に区切られているため、ダラダラ長引く印象は少なく、終盤に向けて緊張感が高まるテンポ感が特徴。重量級ながらも“終わりが見える設計”により、満足度の高いプレイ時間に収まりやすい構造となっています。


ダウンタイム

本作は多人数干渉型の戦略ゲームであるため、一定のダウンタイム(待ち時間)は発生します。他プレイヤーの影響力配置や国家支援判断が自分の戦略に直結するため、手番外でも盤面分析が欠かせません。とはいえ、アクション自体は比較的シンプルで、長考が常態化するタイプではないため、極端にテンポが悪化することは少なめ。プレイヤー全員が盤面に関与し続ける設計により、“待ち時間も戦略時間”として機能するバランスになっています。


リプレイ性

『天下』のリプレイ性は非常に高く、国家選択・影響力競合・防衛状況・ボット介入など毎回異なる盤面展開が生まれます。同じ戦略が通用し続けることは少なく、プレイヤー構成や初期配置によって勝ち筋が変動。さらにソロモードや難易度設定、2人戦ボット導入によりプレイバリエーションも豊富です。歴史テーマの没入感と多層戦略が組み合わさることで、繰り返し遊ぶほど理解が深まり、戦略精度が上がっていく“研究型リプレイ性”を持つ作品といえるでしょう。

メリット総まとめ

『天下(Tianxia)』の最大の魅力は、政治・外交・交易・軍事を統合した多層戦略システムにあります。単なるエリア争いではなく、影響力配置、国家支援、交易ネットワーク、防衛投資といった複数要素が連動し、長期的な意思決定が勝敗を左右します。また、騎馬民族南進という共通脅威システムにより、個人最適と全体最適のジレンマが生まれ、盤面の緊張感が常に維持。さらに、2人戦ボット、ソロAI「李牧」、難易度調整などプレイモードも充実しており、重量級ゲームとしてのリプレイ性と研究性が非常に高い作品です。


デメリット・注意点

一方で、重量級ゆえのハードルも存在します。まず、ルール理解コストが高く、初回プレイではシステム把握に時間がかかります。政治・交易・防衛など複数軸を同時に管理する必要があり、初心者にはやや複雑に感じられる可能性があります。また、プレイ時間もカジュアルゲームと比べ長めで、集中力を要する点も人を選ぶ要素。さらに直接戦闘よりも間接干渉が中心のため、“殴り合い系”を好むプレイヤーにはやや静的に映る場合があります。


向いている人・向かない人

本作が特に向いているのは、重量級戦略ゲーム好き・歴史テーマ好き・長期戦略思考型プレイヤーです。『ツォルキン』や『テラミスティカ』系統を楽しめる層とは相性が良好。ソロモードや2人戦モードが充実しているため、少人数プレイ環境にも適しています。一方で、短時間で盛り上がるパーティーゲームを求める人、直感プレイ重視のライト層には不向き。じっくり考え、計画を積み重ねるタイプのゲーマーにこそ刺さる設計といえるでしょう。

ツォルキン比較

同じデザイナーであるダニエレ・タッシーニ作品として、まず比較対象に挙がるのが『ツォルキン:マヤ神聖歴』です。ツォルキンは歯車ギミックによる時間経過型リソース管理が中核であるのに対し、『天下』は政治・外交・防衛といった多軸影響力管理が主軸となります。どちらも長期計画が重要ですが、ツォルキンが“個人最適化パズル寄り”なのに対し、天下は“対人干渉政治戦略寄り”。インタラクション密度は天下の方が高く、他プレイヤーの行動読みが勝敗へ強く影響します。


テラミスティカ系比較

エリア支配・影響力拡張という観点では、『テラミスティカ』系作品とも比較されます。テラミスティカは地形変換と勢力拡張を軸にした経済エンジン構築型ですが、『天下』は国家支援と外交関係性を軸にした政治エンジン構築型です。領土そのものではなく、“誰を支えるか”が得点構造へ直結する点が大きな違い。直接的な陣取りではなく、間接的支配構造を築くプレイ感は、本作独自の戦略体験を生み出しています。


歴史テーマ戦略ゲーム比較

歴史テーマ重量級ゲームとして見ると、『天下』は軍事一辺倒ではなく、政治・外交・経済・防衛を統合している点が特徴です。例えば戦争主体のウォーゲームとは異なり、軍事は数ある得点手段の一つに過ぎません。むしろ外交関係や交易網がスコアへ大きく影響するため、戦略の幅が広い設計となっています。歴史再現性とゲーム性のバランスが取れており、「歴史テーマは好きだが戦闘中心は苦手」という層にも適応しやすいポジションに位置づけられます。

『天下』は買い?

結論から言えば、『天下(Tianxia)』は重量級戦略ゲーム好きであれば“買い”評価に値する作品です。政治・外交・交易・軍事という多層要素が絡み合い、短期利益と長期投資のバランス判断が常に求められる設計は、思考ゲームとしての満足度が非常に高い仕上がり。共通脅威として機能する騎馬民族システムや、国家支援による間接干渉構造も緊張感を生み、毎回異なる展開が楽しめます。単なる領土争いではない“政治戦略ゲーム”として独自の立ち位置を確立しています。


おすすめプレイヤー層

本作が特におすすめなのは、重量級ユーロゲーム経験者や、長期戦略・多軸管理を好むプレイヤーです。『ツォルキン』『テラミスティカ』『ガイアプロジェクト』などを楽しめる層とは相性が良好。また、ソロモード(李牧AI)や2人戦ボットシステムが充実しているため、少人数環境でもプレイ価値が高いのも魅力。歴史テーマに没入しながら戦略構築を楽しみたいプレイヤーに適した作品です。


長期プレイ価値

『天下』は、プレイ回数を重ねるほど理解が深まる研究型リプレイ性を持っています。国家選択、防衛投資、交易拡張、影響力競合といった複数戦略が存在し、固定最適解が生まれにくい設計。プレイヤー構成やボット介入、難易度設定によって盤面状況が大きく変動するため、繰り返し遊んでも新たな発見があります。重量級ゲームとしての寿命は長く、コレクションに加えて長期運用できるタイトルといえるでしょう。


まとめ|『天下』は政治・外交・防衛が絡む本格重量級戦略ゲーム

『天下(Tianxia)』は、中国・春秋戦国時代を舞台に、士大夫として七雄を支援し名声を競う重量級ボードゲームです。政治影響力の拡大、交易による富の獲得、騎馬民族からの防衛といった複数要素が絡み合い、短期利益と長期戦略のバランス判断が勝敗を左右します。さらに2人戦ボットやソロAI「李牧」などモードも充実し、少人数でも高い戦略密度を維持。

ルール難度やプレイ時間の重さはあるものの、その分リプレイ性と研究性は非常に高く、重量級ユーロゲーム好きには強く刺さる設計です。

結論としては、歴史テーマ×多層戦略をじっくり楽しみたいプレイヤーにとって“長く遊べる本格戦略タイトル”といえるでしょう。

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