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- 一手の遅れが、沼地を支配される
- 1. 『フェヤズ・スワンプ』とは?
- 2. デザイナー紹介|『テラミスティカ』作者の系譜
- 3. テーマ解説|不思議な沼地「フェヤズ・スワンプ」の世界観
- 4. ゲーム全体像|ワーカープレイスメント+地形支配
- 5. 船アクションと地上アクションの二重構造
- 6. 「状況」を奪い合うインタラクションの魅力
- 7. 得点手段の多様性とコンボ設計
- 8. マップ・地形システムの戦略性
- 9. プレイ人数2〜4人でのバランス
- 10. プレイ時間90分に凝縮された重量感
- 11. 他ワーカープレイスメント作品との違い
- 12. 日本語版の完成度とローカライズ評価
- 13. どんな人におすすめか?
- 14. 購入前に知っておきたい注意点
- 15. 総合評価|“テラミスティカDNA”を感じる新世代ワーカープレイスメント
一手の遅れが、沼地を支配される

『フェヤズ・スワンプ(Feya’s Swamp)』は、『テラミスティカ』のデザイナーであるHelge OstertagとAnselm Ostertagが手がけた、沼地開拓をテーマにしたワーカープレイスメント型ボードゲームです。2025年エッセンで発表され、2026年1月にケンビルから日本語版が登場します。プレイヤーは船アクションと地上アクションという2系統の行動を使い分け、地形支配と状況取りを巡って激しく競合します。直接攻撃ではなく、有利な配置やタイミングを奪い合うインタラクションは一級品。約90分で重量級並みの思考と駆け引きを味わえる、戦略派ゲーマー注目の一作です。
1. 『フェヤズ・スワンプ』とは?
『フェヤズ・スワンプ(Feya’s Swamp)』は、2025年エッセン(SPIEL)で発表されたワーカープレイスメント型ボードゲームで、2026年1月23日に日本語版が発売される注目作です。プレイ人数は2〜4人、プレイ時間は約90分、対象年齢は12歳以上と、重量級寄りながら遊びやすい設計が特徴です。
プレイヤーは不思議な沼地を舞台に開拓を進め、「船アクション」と「地上アクション」という2系統の行動を使い分けながら得点を積み重ねていきます。直接攻撃ではなく、“美味しい状況”を先に取る・奪うインタラクションが中心で、戦略性と緊張感のある展開が楽しめる作品です。
2. デザイナー紹介|『テラミスティカ』作者の系譜
本作を手がけたのは、Helge Ostertag と Anselm Ostertag。名作『テラミスティカ』で知られるデザイナーデュオです。
彼らの作品に共通するのは、高いインタラクション性と、状況判断を重視する設計思想。単なる効率競争ではなく、「相手より一手早く・有利な場所を押さえる」ことで差が生まれます。『フェヤズ・スワンプ』でもそのDNAは健在で、ワーカープレイスメントでありながら陣取り感覚と読み合いの深さが際立っています。
3. テーマ解説|不思議な沼地「フェヤズ・スワンプ」の世界観
『フェヤズ・スワンプ』の舞台は、幻想的で危険もはらむ不思議な沼地。プレイヤーはこの土地を開拓し、資源を確保しながら勢力を拡大していきます。
沼地というテーマは、移動・制限・支配といったゲームシステムと非常に相性が良く、地形をどう使い、どこに進出するかが戦略の核になります。ファンタジー色を帯びた世界観でありながら、ゲーム性は非常にロジカル。視覚的な没入感と、思考型ゲームとしての歯ごたえを両立したテーマ設定となっています。
4. ゲーム全体像|ワーカープレイスメント+地形支配
『フェヤズ・スワンプ』は、ワーカープレイスメントを軸に、地形(沼地)の支配と拡張を組み合わせた構造が特徴です。単に空いているアクションを選ぶだけでなく、「どのエリアを押さえているか」「どこに影響力を広げているか」が、行動効率と得点に直結します。
そのため、盤面全体を俯瞰した長期計画が重要になり、序盤・中盤・終盤で狙うべきアクションが自然と変化します。重量級に近い思考量を持ちながらも、ルールの軸は明確で、理解すればテンポよく遊べる設計です。
5. 船アクションと地上アクションの二重構造
本作最大のシステム的特徴が、「船アクション」と「地上アクション」という二系統の行動を使い分ける点です。船アクションは広域的・間接的な影響を与えるのに対し、地上アクションは局所的・即効性のある展開を生みます。
どちらか一方に偏るのではなく、状況に応じて両者を組み合わせることで効率的な得点ルートが開けます。この選択の積み重ねがプレイヤーごとの戦略の違いを生み、リプレイ性を高めています。
6. 「状況」を奪い合うインタラクションの魅力
『フェヤズ・スワンプ』のインタラクションは、直接的な妨害ではなく、有利な「状況」やポジションを先取りする形で発生します。相手が狙っていたエリアを押さえたり、タイミングよくアクションを実行したりすることで、間接的に相手の計画を崩すことが可能です。
この感覚は『テラミスティカ』にも通じるもので、プレイヤー同士の読み合いが常に発生します。攻撃的すぎず、しかし確実に影響を与えるこのインタラクションが、静かで緊張感のあるプレイ体験を生み出しています。
7. 得点手段の多様性とコンボ設計
『フェヤズ・スワンプ』では、得点手段が一つに限定されていない点が大きな魅力です。地形支配、アクションの達成、タイミングボーナスなど、複数のルートから得点を積み重ねていく設計になっています。
単発で点を取るだけでなく、行動を連鎖させて効率よく得点を伸ばす“コンボ”が成立するため、計画が噛み合ったときの爽快感は格別です。どの得点ルートを主軸に据えるかでプレイ感が大きく変わり、毎回異なる戦略を試したくなるリプレイ性を生んでいます。
8. マップ・地形システムの戦略性
沼地マップは単なる背景ではなく、ゲーム展開そのものを規定する重要な要素です。どのエリアを支配するか、どこを連結させるかによって、アクション効率や得点効率が大きく変化します。
地形の制約があることで、無計画な拡張は通用せず、他プレイヤーの動きを見越した進出判断が求められます。ワーカープレイスメントに陣取り要素が加わることで、盤面の“取り合い”が自然に発生し、終始緊張感のある展開が続きます。
9. プレイ人数2〜4人でのバランス
2人プレイでは、相手の狙いを読み切る濃密な一対一の駆け引きが際立ちます。選択肢が明確な分、先読みの精度が勝敗に直結します。
3〜4人プレイでは競合が激化し、思惑が交錯することで盤面がよりダイナミックに変化します。人数が増えるほどインタラクションが増し、「今どこを取るか」という判断の重みが増すのが特徴です。どの人数でも成立するバランスの良さは、本作の完成度の高さを物語っています。
10. プレイ時間90分に凝縮された重量感
『フェヤズ・スワンプ』は、プレイ時間約90分という枠の中に、重量級に匹敵する思考量を凝縮した設計が魅力です。1手ごとの選択が盤面と得点に直結するため、常に最適解を探る緊張感があります。
一方で、手番の流れは比較的スムーズで、ダウンタイムが過度に長くならないよう配慮されています。「重いが冗長ではない」テンポ感は、平日の夜や例会でも出しやすく、繰り返し遊ばれる理由の一つです。
11. 他ワーカープレイスメント作品との違い
クラシックなワーカープレイスメントが「空いているマスの選択」を主軸にするのに対し、本作は地形支配と状況取りが強く絡みます。アクションの競合だけでなく、盤面上の配置が次の選択肢を狭めたり広げたりするため、読み合いの層が一段深いのが特徴です。
この設計は、名作『テラミスティカ』に通じるインタラクションの質を、ワーカープレイスメントへ落とし込んだものと言え、陣取り要素が好きなプレイヤーには特に刺さります。
12. 日本語版の完成度とローカライズ評価
日本語版はケンビルによるローカライズで、ルールの明瞭さと用語統一が高い完成度でまとめられています。複雑になりがちなアクション説明や得点条件も、段階的に理解できる構成です。
また、コンポーネント表記も直感的で、参照の手間が少ない点はプレイ体験を大きく向上させています。重量級寄りのゲームでありながら、初回プレイのハードルを下げている点は、日本語版ならではの強みと言えるでしょう。
13. どんな人におすすめか?
『フェヤズ・スワンプ』は、インタラクションのある重量級寄りワーカープレイスメントを求める人に特におすすめです。単なる最適化パズルでは物足りない、相手の動きを読み合う緊張感が欲しいプレイヤーに向いています。
また、『テラミスティカ』系の陣取り×状況取りが好きな層や、90分前後でしっかり考えたい中〜上級者にも好相性。2人でも成立し、3〜4人で最も熱量が上がるため、固定メンバーのあるグループに特におすすめです。
14. 購入前に知っておきたい注意点
本作は思考量が多く、初回はルール説明に時間がかかる点は留意が必要です。ワーカープレイスメントに慣れていない場合、序盤は選択肢の多さに戸惑う可能性があります。
また、運要素は控えめで、実力差が結果に出やすい設計です。そのため、完全にカジュアルな展開を求めるグループよりも、読み合いと最適化を楽しめるメンバーでのプレイが適しています。
15. 総合評価|“テラミスティカDNA”を感じる新世代ワーカープレイスメント
『フェヤズ・スワンプ』は、テラミスティカの設計思想を受け継ぎつつ、ワーカープレイスメントへ昇華した意欲作です。船と地上の二重アクション、地形支配を巡るインタラクション、多彩な得点ルートが高いレベルで噛み合っています。
90分という遊びやすい枠に、濃密な思考と駆け引きを詰め込んだ完成度は非常に高く、エッセン新作の中でも存在感のある一作。戦略ゲーム好きなら、ぜひ一度は体験してほしい注目タイトルです。



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